日本で人気の高いネム
ネム(XEM)は時価総額で8位(2018年3月時点)に付ける有力な仮想通貨です。
最初の開発チームに日本人が入っていた事なども有って以前から日本では人気の高い仮想通貨でしたが、18年1月にコインチェック社で起こったネム盗難事件を受けて、良くも悪くもその名前が広く一般にも知れ渡る様になりました。
NEMとXEM
ネムをNEMと表記する場合とXEMと表記する場合がありますが、より正確にはネム(XEM)はNem Economy Movementと言うプロジェクトの名前で、その中で開発された仮想通貨がネム(XEM)と言う位置付けになります。
XEMと言うのは本来はネム(XEM)の単位であり呼称も「ゼム」なのですが、仮想通貨ネムの略記号としても使われています。
ネムio財団がプロジェクトを管理
ネム(XEM)は新しい経済圏を創造して行く事を目指したプロジェクトで、シンガポールに本部を置くNEM io財団がプロジェクトを管理しています。
ネム財団にはテックビューロ社代表の朝山氏も表議員に選出され、名を連ねています。
201 4年1月にutopianfuture氏(ハンドルネーム)がビットコイン関連のコミュニティbitdcointalk.org内でネム(XEM)の構想を発表し、2015年3月に本格的にスタートしたプロジェクトです。
ネム(XEM)はコミュニティが活発で結びつきも強く、仮想通貨関連以外にも様々な活動を行っています。
ネムの発行枚数
ネム(XEM)は最初に8,999.999.999XEMを発行し、約1,600人の投資家に対して均等に割り当てました。
ネム(XEM)には以降の新規発行予定は無く、ビットコインなどに有るマイニング(採掘)などの作業もありません。
マイニングの代わりにネム(XEM)ではハーベスティング(収穫)と言う仕組みが用意されています。
ネムのハーベスティング
ハーベスティング(収穫)はネム(XEM)を頻繁に利用する人が、より多くの利益を受け取る事ができる様に制度設計されており、これを富の再分配と呼んでいます。
ビットコインのマイニングと比較して機会平等でより公平、と言う評価があります。
ネムが貰える!!
ネム(XEM)を利用する場合には、その取引が正当だと承認される為の手数料として小額のネム(XEM)が消費されます。単に手数料を支払うと言っても良いかも知れません。
徴収された手数料は、ネム(XEM)を10,000XEM以上保有するユーザーを対象に配分されます。
ユーザーにはその貢献度(ネムの保有量や取引所での取引量や回数)に応じてネム(XEM)が貰えます。
これをハーベスティング(収穫)と呼んでいます。
ネム(XEM)のユーーザーにはその貢献度によってPol (Proof of importance)というスコアが付与されます。
取引所でより多くの量を多くの回数取引を行った人程P0Iのスコアを増やすことができ、ハーベスティング(収穫)ではPOIスコアに応じて報酬が得られる仕組みになっています。
2018年の大型アップデート
ネム(XEM)は2018年にも大規模なアップデートを予定しています。
このアップデートによって新装備、その名もカタパルトが実装される事によって送金スピードが劇的に高速になります。
これによって送金スピードに定評の有るリップルの速度をも遥かに上回り、1秒間に約4,000回の取引を処理できる処理速度を実現します。
コミュニティに勢いが有る
ネムは関連コミュニティ参加者の活動が活発で、他の仮想通貨のコミュニティよりもネムへの愛着が強い事も知られています。
日本でもネムの人気は高く、渋谷にネム(XEM)で決済できるnembarが既にオープンしている他、ネム(XEM)でやり取りをする初のフリーマーケット「ネムケット」も入谷で開催されるなど活発な動きが続いています。
ネムのトークン
ネム(XEM)にはイーサリアムのスマートコントラクトに相当する機能が実装されており、ネム(XEM)のシステムに載せる形で独自のトークンを発行する事ができます。
日本でも国内初の大型ICOで108億円もの資金を集めて衝撃を与えたテックビューロ社のICOプラットフォーム「COMSA」では、ICOの際にイーサリアムと並んでネムのシステムを使ったICOを行なう事ができます。
ICOの際にネム(XEM)が採用されると、そのICOの価値が高まるのに伴って仮想通貨ネム(XEM)の価値も高まる事が予想されます。
現状ではイーサリアムのシステムが採用される案件が多いですが、機能面では処理速度など、今後ネム(XEM)の方が優位になると見られる部分も有る為、期待が持てます。
誰でも簡単にトークンが作れる!
ネム(XEM)の大きな特徴と言えるものに、簡単な言語でプログラムが書かれていると言う事が挙げられます。
イーサリアムは非常に自由度の高い自動取引のプログラム(スマートコントラクト)を乗せる事ができますが、その為に使われるプログラム言語は非常に難易度が高く使いこなせる人も少ない言語であると言う結構致命的な問題を抱えています。
またイーサリアムではそもそもブロックチェーン技術を理解しているエンジニアがいないとトークンを作る事ができません。
バグがあれば大問題に発展します。
それに対してネムではブロックチェーン技術を理解していなくても、プログラムのコードが全く婁けない人でも簡単に安全性の高いトークンを作成できるのです。
コインチェックのネム流出事件
仮想通貨ネム(XEM)の話をする中でどうしても外す事ができないトピックスが大手仮想通貨交換業者コインチェック社で発生したネム(XEM)の大量盗難事件です。
約580億円相当もの巨額のネム(XEM)が何者かの手によって流出したこの事件の詳細については別項で解説しています。
ネム側にとって重要なのは、この事件はあくまで仮想通貨交換業者で有るコインチェック社のセキュリティの脆弱性を突かれて起きた流出した盗難事件であり、ネム(XEM)に欠陥が有ったと言う訳では無いと言う点です。
ネム財団は2018年3月に入って、財団としての犯人の追跡を終了した、と表明しました。
この問題は今後は警察機構などの捜査に委ねられる事になった訳です。
イーサリアムの対応との比較
この様な大量流出事件は同じく仮想通貨のイーサリアムでも起きています。
(The DAO事件)
この時イーサリアムの開発チームは被害者救済の観点から、時間を事件発生前まで戻して記録を書き換えるハードフォークを実施しました。
被害者救済の面からは良い対応とも言えるのですが、仮想通貨ユーザー達の間では中央集権的な強権の発動に否定的な意見が多かったのも事実でした。
これに対してネム財団は今回の事件のかなり早い段階でハードフォークを実施しない方針を明らかにしました。
非中央集権型管理を志向するネムの姿勢が良く出る対応となりました。
ネムの購入場所
現在ネムを購入できる大手の仮想通貨業者としてはZaifとGMOコインがお薦めできます。
最大手のビットフライヤーでは現在の所、取扱いがありません。
ネム(XEM)の取引所があり、ネムを利用したICOのプラットフォームまで持っているZaifが最もお薦めできる交換業者になると思います。
まとめ
ネム(XEM)は先行するビットコインが抱える課題を上手に消化·克服している仮想通貨であり、処理速度、消費電力(マイニングによるもの)の少なさなど優れた機能を備える仮想通貨です。
開発スタッフ、管理団体、ユーザーのコミュニティがどれも活発で勢いもあります。
コインチェックの盗難事件も有り、価格を大きく下げていますが将来性を考えると好機なのかも知れません。
大型アップデートも予告され、今後も非常に楽しみなコインです。
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