イーサリアム·クラッシックとは
イーサリアム·クラッシック(ETC)はイーサリアム(ETH)から派生した仮想通貨です。
2018年3月時点で時価総額は1,900億円余りで第16位と言う仮想通貨ですが、仮想通貨交換業者最大手·ビットフライヤーで取扱われている事もあり、認識の有る方も多いのではないかと思います。
その成り立ちからも「非中央集権的」と言う理念を強く持っており、今後の展開にも期待の持てる仮想通貨です。
The DAO事件
イーサリアム·クラッシック(ETC)はイーサリアムのシステムを利用していた投資ファンドがハッキングされて大量のイーサ(ETH)が持ちだされた事件「The DAO事件」を機に生み出されました。
「非中央集権型自律 散組織」の英略語でDAOと言う言葉が有るのですが、そこから名前を取った「The DAO」と言う組織がイーサリアムのシステムの上で自律分散型の投資ファンドとして稼働していました。
The DAOでは資金を仮想通貨イーサ(ETH)でプールしていたのですがその資金を何者かがハッキングして外部のアドレスに送信してしまいました。
Slock itというイーサリアム上で動くプログラムの脆弱性を突かれたものですが盗難額は360万ETH、当時のレートで64億円にもなりました。
解決策は3つ
イーサリアムのコミュニティはこの事件への対応を巡って大騒ぎとなりました。
解決策としては
●放置(何もしない)
●盗難されたイーサ(ETH)のみ無効とするソフトフォークを実行する
●ソフトフォークの後にハードフォークを実行して事件の前の時点に状況を巻き戻す
と言う3点が考えられたのですが、結果的に採用されたのは3番目のソフトフォーク+ハードフォークと言う案でした。
ソフトフォークとは(分岐を伴う)仕様変更の際に今迄の仕様と互換性を持った形でとして仕様変更を行う事です。
対してハードフォークは実施前と互換性の無い仕様に変更する事です。
イーサリアムのハードフォーク
イーサリアムでは、ソフトフォークを実施して、まず盗難されたイーサ(ETH)を無効にしました。
但しこれだと盗難されたイーサ(ETH)は戻ってこない為、次にハードフォークを実施して盗難前の記録に戻して不正な送金記録を無効にし、イーサ(ETH)を元の所有者に戻しました。
こうしてこの時のハードフォークで分離した側が現在のイーサリアムになります。
イーサ(ETH)は技術的には分岐した側になりますが、提唱者プテリン氏を始めとする開発チームやイーサリアム財団らの主流派が主導しており、現在のところは時価総額で見てもイーサ(ETH)の方が圧倒的に大きく、実質的な主流になっています。
ただブテリン氏や財団がイーサリアムの方向性に与える影響が強過ぎるという懸念を与えた事も事実で、ネガティブな印象を残しました。
イーサリアム·クラッシックの誕生
The DAO事件では、The DAO側のコードに欠陥が有りその脆弱性を突かれた盗難であり、イーサリアム自体の脆弱性を突かれた訳ではありません。
ハードフォークによって多くの被害者が救済される事になりましたが、一方でイーサリアム自体に問題が無いにも関わらず、ブロックチェーンを開発グループが意図的に書き換える様妼置は中央集権的であってはならないと考える意見も多くこうした人達の支持によって枝分かれされた側の仕様も存続する事になりました。
こちらが現在イーサリアム·クラッシック(ETC)と呼ばれる仮想通貨になります。
非中央集権的な仮想通貨
イーサリアム·クラッシック(ETC)ではブロックチェーンの記録はそのまま有効なので、The DAO事件で持ちだされた分は帰ってきません。
その代わり、仮想通貨のあり方として支持する声の多い、非中央集権的な仮想通貨としての立場は守られ、補強されました。
主流派はイーサリアムに
イーサリアム·クラッシック(ETC)は基本的には旧イーサリアムの仕様をそのまま踏襲しているので、イーサリアムが持っているスマートコントラクトなどの優れた機能を同じ様に有しています。
但しイーサリアムが誇る活発な開発コミュニティは殆どが新イーサリアムの方に移行しているので、今後の開発と言う点では不安が残ります。
非中央集権的通貨の意義
とはいえコミュニティは活発で開発体制も徐々に整いつつ有り、今後の機能強化に向けて期待が持てます。
反対にイーサリアムの側で再び中央集権的な決断を迫られる場面が生じた時にはそれを嫌うユーザーがイーサリアム クラッシック(ETC)に流れてくる事も考えられます。
まとめ
この様にイーサリアム·クラッシック(ETC)はイーサリアムのハードフォークによって生まれた仮想通貨です。ビットコインから分裂したビットコインキャッシュと似ています。
イーサリアム·クラッシック(ETC)は国内仮想通貨交換所最大手のビットフライヤーで取扱いがあります。
今後も注目される仮想通貨なので購入を検討してみるのも面白いと思いますよ。
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