暗号資産(仮想通貨)には圧倒的に不利な税制⁉

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暗号資産(仮想通貨)にも税金は掛かります

ビットコインは6年前の2017年に大幅な価格上昇がありました。
12月には1BTC=230万円の水準にまで達して一気に世間の注目を集め、「億り人」(暗号資産で1億円儲けた人)という言葉も盛んに発信されました。

億り人まで行かなくても、充分な利益を上げたのならコインの全部あるいは一部を換金するなどして利益を確定させたいと考える人も多いと思いますが、その時絶対に押さえておくべき知識が、暗号資産に掛る税金です。
仮想通貨は株式やFXなどとは違い、利益を上げた時には税金への備えが不可欠なのです。
今後もビットコインや仮想通貨が億り人を生み出す可能性は十分に有ると思います。
今は利益が出ていない方も、いずれ来るであろうその時の為に一度暗号資産に掛る税金の事をチェックしておいて下さい。

億り人を襲う!?税金

ビットコインを換金して1億円の利益が出たとします。
文字通りの「億り人」ですが、その1億円の内、単純な計算でもざっと5,500万円の現金を残して置かないと税金が払えない事になります。
利益に喜んでマンションを即金で買って、次の年には税金の支払いの為に多額の借金を背負うと言う事だって十分に起こり得るのです。


もっと怖いのが一度利益を確定して換金したお金で仮想通貨に再投資して次の年に暴落してしまうケースです。2017年の12月から翌20181月迄のビットコインの流れはこれにぴったり当てはまります。

同じ年の利益と損失は相殺できるので問題ないですが、年を跨ぐと前年の課税対象額が確定してしまうのでそれに見合った税金の支払いに充てる資金を用意しなければなりません。

税金に充てる必要が有ったお金を再投資に回して大幅に下落してしまうと税金を支払う事が出来なくなってしまいます。他に持ち合わせが有れば良いですが、無ければ税金が払えず、大きなペナルティを受ける事になります。1億円も稼いだのに、です。

雑所得は給料の税金にも影響する!

 

税金の影響はそれだけではありません。仮想通貨で取り上げた利益は現時点では雑所得と言う扱いになっており、給料などの所得と合算されて税率が決定します。
会社員で年収500万円ほどの方だと所得税率10~20%程度の方が多いと思いますが、仮想通貨で4,000万円の利益が出たら、給料に掛る所得税も最高税率の45%に跳ね上がってしまいます。
実際には給与所得と雑所得の合計から控除分を引いた金額(課税対象額)が4,000万円以上になると最高税率の45%が適用されてしまいます。
それに加えて復興特別税が所得税額の2.1%、住民税が一律で10%掛かります。

驚く程に手取り額が少なくなるのが分かります。日本の超累進課税恐るべし!です。

税務署は甘くない

株式やFXの税金は分離課税と言って、給与所得などとは合算されず、所定の税率が掛けられて確定します。税率も所得税20%+復興特別税(所得税の2.1%)と定率です。
仮想通貨売買の利益もいずれは分離課税の対象になっていくものと予想されますが、17年に国税庁が仮想通貨の売買益は雑所得との方針を出した事で、現在は雑所得となっています。
それまでは実は定義が曖昧だったのですが、ビットコインの高騰によって国も方針を決めない訳には行かなくなったと言う事でしょう。


税務署は決して甘くは無く、仮想通貨取引の利益は脱税をしても高い確率で補足され、遡って追徴課税を請求されるだけですのでしっかり税金を払う他はありません。

雑所得は儲かると給料も税金も高くなりますが、損失が出ても給与所得の税率の方は下げて貰えません。

こうした特性を考えると税制的には仮想通貨は有利な投資(投機)対象とは言えないと言う事が言えます。少なくともこうした特性を良く理解して取引を考える必要はあると言えます。

税率の確認です

話を一度整理します。仮想通貨の売買で得た利益は雑所得の扱いになります。
雑所得は合計20万円以下の収入であれば申告をする必要はありません。

所得税率は給与などの収入から控除額を引いた額と、雑所得を合算した金額で決まります。
合計金額と所得税率の設定は

課税対象額 所得税率
~195万円 5%
~330万円 10%
~695万円 20%
~900万円 23%
~1800万円 33%
~4000万円 40%
400万円以上 45%

となっています。加えて東日本大震災を受けて設定された復興加算税として所得税額の2.1%の税金が加算されます。更に一律10%の住民税が有ります。
合計で最大55.945%の税率と言う事になります。

一方、同じ年に他の仮想通貨取引で確定した損失や、仮想通貨の勉強の為に購入した本や参加したセミナーへの参加費・交通費などは費用として認めて貰える可能性が高いので、領収書はしっかり取っておきましょう!

まとめ

税金の事だけを考えると、事前に予測しやすい給与所得から出した課税対象額を基準として、所得税率の上がるラインを意識しながらその範囲で売却し、利益を確定して行くと言うのがベストな選択となります。
とは言え仮想通貨は値動きが激しい為、そんな事をしている間に急落するなどと言った事も起こり得る訳で判断は難しい所です。

いずれにしても仮想通貨に関する税金の仕組みさえ押さえて置けば、税金を支払えなくなると言う最悪の事態は避けられます。

高額納税者の贅沢な悩みとも言える事ですので、是非税金についても良く理解しておいて下さい。
まあまずはそんな悩みをする様な立場になりたいですね。


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