外貨準備高を押えておきましょう

投資全般
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ちょっと不思議な資産

外貨準備高は普段は余り使い道が無いのに、ある局面では決定的な意味を持つちょっと不思議な資産です。

投資や運用の世界でも通常は余り意識されないのですが、経済的インパ外の強い危機が発生した場面では国を滅ぼしかねない程の影響力が有る指標として注目されます。

こうした局面では外貨準備に関わる知識が大いに役に立ちます。

外貨準備高はとても興味深い資産である一方、内容がかなり間違って伝わっている事も多い資産なので、外貨準備高について一度解説しておきたいと思います。

外貨準備高とは

外貨準備高とは原則的には各国の中央銀行や政府などの通貨当局が保有する流動性の高い外貨建ての資産(外貨準備資産)の保有高事です。

原則的には、と言ったのはこの定義通りに資産をカウントしない国もが結構有る為です

国の対外資産では無い

よく外貨準備高が国の資産そのものの様に説明されている事例がありますが外貨準備資産はあくまで政府や中央銀行が抱える金融資産の事を指します

民間の資産や不動産資産は含んでいません。

対外資産額と言う指標が国の国外資産を指す指標で、外貨準備高は対外資産の中の一部と言う位置づけになります。

外貨準備高が大きいから日本より中国の方が資産が大きいと言う話にはなりません。

資産の大きさは対外資産額で比較しなければいけないし、更にはそこから対外負債を引いた額で比較するべきだからです。

中国が世界1位

財務省の発表によると日本の外貨準備高は20185月末時点で125447700万ドル(約138兆円)となっています。

外貨準備高としては中国が20183月末時点で31428億ドル(約346兆円)と世界最大の準備高を持っています。

日本は中国に次いで第2位の準備高となります。

中国の真実

但し日本の外貨準備高は95%が米国債や各国中央銀行への預金で占められていますが、中国の外貨準備は、市中銀行の保有する外貨もカウントされていて、過半数が実際には為替介入に使えない資金と推定されると言う見方もあります。

その見方に立てば中国が確実に為替介入へ充てられる資金は米国債の保有残高が一番近いと見られます。

中国の米国債保有残高は減少を続けており中国はかなり深刻な外貨準備資産の不足に陥っているのでは無いかと推定できます。

余り使い道が無い?

外貨準備金は対外債務の支払いや、公的部門からの外国への支払に使われる他、為替のコントロールに使われます。但しそれ以外には殆ど使い道がありません。

対外債務に苦しんでいる国を除けば、準備金の殆どを現金か米国国債などで保有しているのが普通です。

どこの国も財政に余裕は無いはずなのに何故この様な形で大量の資産を寝かせておくのでしょうか。それは端的に言ってしまうと自国通貨の価値を守る為です。

通貨の価値を守る?

変動相場制の下では、為替レートは市場の需給によって決まるのが原則です。

但し投機資金などによって為替レートが急激に変化し、実体経済に悪影響を及ぽす危険があると見られる時、中央銀行や政府自ら為替市場に入っていき為替相場に自分達の意向を反映させようとします。

この動きは為替介入と呼ばれています。

ドルと円の為替で考えると、円の価値を下げたい場合、つまり円安に持っていきたい時には円を売ってドルを買います。

実際には円資産で米国国債などのドル資産を買い入れると言う行動をしています。

反対に円の価値を上げたい場足、すなわち円高にしたい時にはドルを売って円を買います。これも実行ベースではドル資産で円資産を買うと言う行動になります。

中央銀行(政府)がプレーヤーとして大規模な取引を行なう事によって為替を押し上げよう(押し下げようとする訳です。

そしてこのドル売りの時の原資となるのが外貨準備資産です

為替のコントロール

為替介入自体は多くの国でそれほど珍しい事ではありません。

一応自由貿易の原則として介入をしない約束にはなっていますが、急激な為替変動に対応する事は容認されていますし、平時の介入も実質黙認されている状況があります

為替のコントロールの為に政府(中央銀行)として使える外貨が必要、と言うのが外貨準備資産を保有する理由になります。

為替危機は怖い

準備金の重要性がより増すのは、自国通貨が一気に下落し危機的状況に陥った時、或いは陥ろうとしている時です。

通常、通貨安は輸出部門には追い風となるので必ずしも悪い事では無いのですが、一気に通貨が下落すると負の影響の方が圧倒的に大きくなり、国の経済活動を危機的状況に追い込みます。

IMF管理下に

政府は負債を払えなくなり、銀行が倒産し、ドミノ式に国内経済を悪化させます。

それに耐えきれなくなると国家としての実質的な破産となり、国際通貨基金(IMF)の管理下に置かれる事となります

IMFとは世界189か国が加盟する国際機関で、加盟国の為替政策を監視すると共に、国際収支が悪化した加盟国に対して融資を実施する機関です

最後の貸し手

財政破綻した国家に金を貸してくれる金融機関など無いでしょうから、IMFは財政破綻国家にとっては最後の貸してとなってくれる心強い機関です。

しかし一度IMFから融資を受けてその管理下に入ると、融資返済の為にIMFが設計した再建プランを受け入れ実行する必要があります。

再建計画は国家の再建と言うよりは融資の回収を確実にする事への比重が強く、受け入れ側には相当な痛みを伴うものになります。
毎月IMFの監査団が来て進捗がチェックされます。

受け入れ国側から見ると強力な借金取り立ての集団の様な存在になります。

通貨防衛

そんな事態を避ける為に、各国は通貨危機の際には懸命に通貨防衛に回ります。

金利政策なども駆使しますが、外貨準備資産が守りの中心となります。

徹底した為替介入によって自国通貨の価値を守るのです。或いは十分な外貨準備高が有り、いつでも為替介入できる力が有る事を知らしめている事が為替危機を未然に防止する安全装置として機能します。

これこそ外貨準備資産の重要な役割です

第2の国防費

この様に外貨準備資産は平時は余り役にならないけれど、有事には必要不可欠と言う性格があります。

その性格は国の防衛費に近いと指摘する人もいます。

確かに国を守る為の備えと言う意味では国防そのものですね。


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