ポンド/円
●通貨ペア GBR／PY
●為替価格 117円※1
(※1.くりっく365 2019.08.28.為替価格による)
英国ポンドと日本円の通貨ペアは日本でも馴染みのある通貨ペアですが、スワップポイントと言う視点ではそれ程注目されていません。
英国がEU離脱問題(いわゆるBREXIT問題)で混乱した関係で、ポンドが大幅な下落を見せる事もあり、安定感がありません。
その割には金利も高いとは言えず、正直な所ポンド/円を長期保有で考えるのであれば米ドル/円の方をお薦めしたい所です。
但しポンドの取引に慣れている方や英国情勢に詳しい人などにとっては、現在のポンド/円は非常にチャンスの大きい局面にあると言えます。
そうした方はポンド/円のスワップポイント投資に手を付けるのも面白いと思います。
スワップポイントとは!?
スワップポイントとは、ある通貨ペアのポジションを翌日まで持ち越した時に、ペアを組む両通貨の金利の差が日割りで貰える(支払う)仕組みの事です。
通貨ペアの金利が高い方の通貨を買う(低金利の通貨を売る)と金利の差が貰えます。
反対に金利が低い方の通貨を買う(金利の高い通貨を売る)と金利差分を支払わなければいけません。
こちらはマイナススワップと呼ばれています。
毎日スワップポイントが貰えます。
英ポンド/円では、ポンドを買ってそのポジションをキープすると日々スワップポイントが貰えます。
FX(外国為替証拠金取引)では短期の売買を繰り返して売買差益を積上げるトレーダー(トレード派)が圧倒的に多数派ですが、スワップポイント投資ではその真逆の中長期での運用を狙います。
中長期で保有し続けてスワップポイントを積上げるのが、スワップポイント投資の基本となります。
それでも一日分のスワップポイント金額は、同じ単位の取引１回の売買差益で稼げてしまえる様な金額でしかありません。
その為スワップポイント投資はどうしても地味な印象がありますが、投資金額に対して得られる利益(スワップポイント)を計算して見ると、実は非常に魅力的な投資手法である事が分かります。
英ポンド/円のスワップポイント
英ポンド/円の通貨ペアでスワップボイントを計算してみます。
2019年8月時点の英ポンド/円のスワップポイント金額を見ると、
| SBI FXトレード | 27.7円 |
| DMM FX | 23円 |
| ヒロセ通商 | 20円 |
| 外為どっとコム | 26円 |
| マネーパートナーズFX | 29.5円 |
| マネーパートナーズ FX nano | 32.3円 |
| みんなのFX | 21円 |
| GMOクリック証券 FX | 31.6円 |
| GMOクリック証券 くりっく365 | 31.7円 |
となっています。
金額は2019年8月12日～17日の１万通貨・１日当たりの平均額です。
例えばSBI FXトレードの英ポンド/円で１万ポンド(１万通貨)を買うと、１日当たり27.7円貰えたと言う事になります。
20円～32.3円までかなり差がある事が分かりますね。
スワップポイント投資ではどのFX会社を選ぶかも非常に重要なポイントになるのです。
スワップポイントの金額はFX会社が各々設定しており、金額も日々変わっていきます。
定期的に金額を確認して、想定外の金額に変わっていないかチェックした方が良いでしょう。
金額は各FX会社の公式ホームページで公開されています。
最大利率は22.4% ! ?
もっともユーザーの多いGMOクリック証券のFXを例に計算してみましょう。
時期が少しずれますが、2019年8月28日の英ボンド/円の為替レートは
１ポンド＝１２９円
前後となっています。
GMOクリック証券FXで１万ポンド(129万円)を買う為には、最低51,600円(4%)の証拠金が必要になります。
もちろん1,000通貨とか100通貨などもっと少ない単位の取引であれば、証拠金はそれに応じて小額になります。
一方でスワップポイント金額の方は、ポジションを一年間保有し続けると、
11,534円
となります(※31.6円× 365日)。
51,600円の資金で11,534円貰えるので
年利２２.４％！
と言うとんでもない高金利になってしまいます。
リスクを抑えましょう
もちろん現実にはそんなに簡単な話では無く、実際には為替の変動があり追証やロスカットのリスクも発生します。
ギリギリの証拠金で取引をする(つまり最大のレバレッジを掛けて取引をする)なんて、さすがに危なっかしくてしょうがありません。
当サイトふあいなんす倶楽部でもレバレッジ取引のリスクについては再三指摘しています。
前提になるスワップポイント投資では、リスクにどう備えるかがとにかく重要です。
簡単に言うとレバレッジ(証拠金に対する取引額の倍率)を下げて行けば、それに沿ってリスクも減って行く事になります。
但しその分利益率も下がって行く事になります。
レバレッジと利率の関係
同じ例でレバレッジと年間利率の関係を見てみましょう。
●レバレッジ10倍 8.94%
●レバレッジ５倍 4.47％
●レバレッジ３倍 2.68％
●レバレッジ２倍 1.79％
●レバレッジ１倍 0.89％
となります。(あくまで参考値です)
レバレッジ２倍の利率1.79%は低い様にも感じられますが、良く考えると大手都市銀行の国内定期の利率は年0.01%です。
それと比べればやはり抜群の利率である事が分かりますよね。
またレバレッジ1倍(レバレッジを掛けない)方法でも年利0.89%の金利が期待できます。
FXはレバレッジを掛けなければ、ロスカットのリスクは無く外貨預金と殆ど同じです。
FXならではのメリットもあります。
そこで実際にFXを利用して外貨預金の様に運用する方法も存在します。
価格ラインを設定する
次にレバレッジ毎に証拠金維持率が100%を切る為替レートの水準を計算してみましょう。
いわゆる「追証」が発生するラインです。
最大レバレッジで取引をするとほんの少しでも価格が円高になると、証拠金維持率が100%を切ってしまいます。
他のレバレッジではどうなるか計算してみると、
●レバレッジ10倍 121.0円
●レバレッジ５倍 107.5円
●レバレッジ３倍 89.6円
●レバレッジ２倍 67.2円
●レバレッジ１倍 0円
となります。
レバレッジ10倍の取引であれば、為替レートが129円から121円を割り込まなければ追証は発生しないと言う事になります。
自分の防衛ラインを決めましょう!
英ポンドは世界の基軸通貨の１つです。
馴染みもあり、ポンド/円は為替の判断がしやすい通貨ペアと言う事もできます。
そのポンド/円が今後一年間に121円、107.5円、89.6円を割り込む可能性を考えて、ここまで余裕を見ておけば大丈夫だろうと言う予測が固まれば、それに沿って自然にレバレッジも決まる事になります。
一年以内に67.2円を切るかも知れないと考えている人は、レバレッジを掛けない(レバレッジ1倍)の『取引を選ぶべきです。
121円を切る事は無いだろうと考えている人はレバレッジ10倍でも問題ない事になります。
段々為替が想定価格に近付いてきたらそこでレバレッジを下げる、と言った方法も当然可能です。
ポンド/円は他の通貨ペアよりも遥かに身近で価格も想定しやすいと思います。
もちろん実際の取引は御自分の判断、自己責任でお願いします。
価格変動のリスクはあります
ここまでスワップポイントの話ばかりをしてきましたが、当然価格変動による損失リスクもあります。
１万通貨であれば為替が１円円高になると１万円の損失になります。
逆に１円円安になれば単純計算で１万円の利益です。
この損益とスワップポイントの合計が大事なのは言うまでもありません。
但しプラスのスワップポイントが損失を減らし利益を押し上げるカになる事は確かです。
毎日リスクが減って行きます。
FX会社では発生したスワップポイントも保証金の金額に含めて計算する会社が多いので、その場合日々スワップポイントが入ってくると言う事は日々少しずつ保証金額が増えると言う事にもなります。
為替レートが同じならばレバレッジが少しずつ下がって行く事になります。
またレバレッジ10倍だと年8.9%の想定利回りなので、そのポジションを11年維持する事ができれば、為替レートに関係無くトータルで損は無くなる計算になります。
基本的にスワップポイント投資は途中でロスカットを受けずに持ち堪えられれば勝てるのです。
税金が掛かります
スワップポイント投資で注意しなければいけない点がもう1つあります。
スワップポイントも利益なので利益が出れば税金が掛かります。
利益の20.315%が所得税(復興特別税を含む)として差し引かれます。
ただ利益に税金が掛かるのは他のFX取引や銀行の預金でも一緒です。
英ポンド/円スワップにお薦めするFX会社
スワップポイント投資を行なうのであれば、当然貰えるスワップポイント金額の高いFX会社を選ぶかどうかが利益に直結してきます。
前述の直近の英ポンド/円のスワップポイント実績で見る限りでは、
| マネーパートナーズFXnano | 32.3円 |
| GMOクリック証券 FX | 31.6円 |
| GMOクリック証券 くりっく365 | 31.7円 |
辺りが選択肢になると思います。
ただしスワップポイントは日々変動するものなので、時々金額を確認する事が大切です。
尚、GMOクリック証券のくりっく365は取引単位が１万通貨単位となっている事には注意しましょう。
まとめ
このように英ポンド/円ではスワップポイントを狙った運用が可能です。
適切なリスクを取ってリターンを得れば、資金をとても効率良く運用できます。
リスクを更に抑えたいのであれば、レバレッジ１倍で取引をすれば外貨預金と殆ど同じ取引になります。
さまざまな選択肢があるので、資金の一部をこうした形で外貨で運用するのも悪くないと思いますよ。
スワップポイント投資を是非一度考えてみて下さい。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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