人気のANA株主優待は今こそ仕込み時かもです。

株式投資
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人気の航空会社株

(2020.03.10.改訂)
航空会社の株は個人投資家の間では昔から人気の高い株主優待銘柄です。
国内二大航空会社であるANAや日本航空(JAL)は、株主優待の代表的な銘柄としても広く知られています。
国内線の飛行機に正規運賃の半額で搭乗できる株主優待券など、この業種ならではの魅力的な優待サービスを展開しています。
株主優待の中心となる国内線の株主優待券は、以前はほとんど無敵と言えるほどの魅力的な優待品でした。
株主優待券の制約も殆ど無く、また航空運賃も今より固定的で、安い料金で搭乗する手段が限られていた為、その優位性は際立っていました。
ただ現在では株主優待券向けの座席数が絞られたり、航空運賃もANAが変動型の運賃体系を導入するなど環境が変わっており、そのメリットが判断しにくくなっています。
そこでここではANAの株主優待を例に、その特典を解説していきます。

株式併合

株主優待の話の前に、株式併合に触れておきます。
ANAでは2017年10月1日に、従来の10株を新1株に変更する「株式併合」が行なわれています。
変更前の1,000株が、併合後の100株に相当します。
同時に単元株も1,000株から100株に変更されています。
1,000株単位の時代からANAの株を保有している方は、現在との違いに注意して下さい。

ANAの株主優待

ANAでは毎年3月末と9月末の時点で100株以上を保有している株主に対して株主優待を実施しています。
株主優待の内容は

● ANA国内全路線が株主優待料金となる株主優待券
● ANAグループの割引サービス券が1冊に纏められた冊子
● ANAオリジナルカレンダー(9月度のみ)

が貰えます。
国内線株主優待券は保有株数によって以下の枚数が貰えます。

●100株以上1枚
●200株以上2枚
●300株以上3枚
●400株以上4枚+400株超過分200株ごとに1枚
●1,000株以上7枚+1,000株超過分400株ごとに1枚
●100,000株以上254枚+100,000株超過分800株ごとに1枚

この枚数が年2回貰えます。
100株を保有していれば、年に2枚貰える事になります。
株主優待券の有効期限は発行された時から1年後の月末迄となります。

株主優待券

ANAの株主優待券では、1枚でコードシェア便を含むANA国内線全線の片道運賃がANA FLEX運賃から50%割引になります。
以前は普通運賃からの割引だったのですが、2018年10月28日にANAが運賃体系を変動型運賃体系へと変更し、普通片道運賃という設定を廃止しました。
その為現在ではANA FLEX運賃(空席連動型運賃の最安値であるFLEX-D運賃)からの50%割引が適用されます。
株主優待券が2枚あれば、往復運賃も50%割引になります。
路線や時期によって割引額は変わってきますが、いずれにしても航空券は高額なので50%割引は大きな魅力ですよね

株主優待券の利用価値

ANAの株主優待券は、金額的な価値がいくらと決める事が難しいのですが、2018年6月9日(土)時点の羽田-那覇便の運賃は

●普通片道運賃46,090円
●株主優待運賃23,190円

となっていました(FLEX運賃導入前)。
このケースでは22, 900円のお得!と言う事になります。
随分魅力的な金額になりますよね。
ただよく見ると、この日の運賃には時間帯にも依りますが旅割運賃で20,690円という割引運賃もありました。
このケースでは株主優待割引より旅割運賃の方が安くなっています。
旅割は変更などがほぼできませんが、条件が合えばお得な運賃です。
旅行に行く時は色々比較して、お得な航空券を探すと言う人も多いでしょうから、単純に高い運賃と比較してこれだけお得などと言って良いのかと言う懸念はあります。

金券ショップで売れる

ANAの株主優待券は無記名で実質的には他の人への譲渡が可能です。
なので実際の所、都市部であれば株主優待券を金券ショップで普通に購入する事ができます。
金券ショップでの価格は時期によって大きく動きます。
まさに時価と言う感じなのですが、2019年は1枚5,000円~7,000円程で売られていました。
但し2020年に入ってからは新型ウィルス問題の影響を受けて金額は下落傾向にあります。
また航空会社側の本意では無いかも知れませんが、株主優待券は金券ショップに持って行けば簡単に売る事もできます。
買い取り金額は、主に需要と有効期限の残日数によります。
見方を変えれば、金券ショップの買取金額以上の価値はあると言う事ができます。

座席が限られている

ANAの株主優待券は、以前はお盆でも年末でもほぼ自由に利用できて非常に重宝していたのですが、現在は優待向の座席数が絞られていて、年末年始ゴールデンウィークなどの満席が想定される便においては予約が取りづらくなっています。
但し国内線株主優待券は2018年9月3日の発売分以降、搭乗日の355日前からの予約購入ができる様になりました。
早めに日程を決められる人にとってはとても有利な制度になっています。

ANAグループの優待

ANAでは100株以上保有の株主は、株主優待券の他に、ANAグループ優待券を纏めた冊子が年2回貰えます。
冊子にはANAグループ各社や提携ホテルの割引チケットがクーポン形式で掲載されており、各施設で利用する事が出来ます。
具体的なクーポンの内容は

● IHG-ANA·ホテルズグループジャパンでのご優待
●国内 海外パッケージツアー商品のご優待
●空港内売店でのお買い物ご優待
●ゴルフプレー料金の割引ご優待

などとなっています。
利用が多いのはANA系列の空港内売店での買い物が10%割引になるチケット辺りです。

発送スケジュール

国内線株主優待券及びANAグループ優待冊子の配送予定時期は

●3月末時点保有株主  5月中旬発送
●9月末時点保有株主 11月中旬発送

となっています。
株主優待券、冊子は一般郵便として届けられます。

配当もあります

ANAでは3月末時点の保有株主を対象に年1回配当が支払われます。
2019年3月期の配当は1株辺り75円の予定となっています。
100株あれば6,000円の配当です。
1株当りの配当額は2017年まで1000株だったので補正すると

●2011年20円/株
●2012年40円/株
●2013年40円/株
●2014年30円/株
●2015年40円/株
●2016年50円/株
●2017年60円/株
●2018年60円/株
●2019年75円/株

となっており、順調に実質的な配当額が増えています。
2020年2月28日時点のANAの株価は2,907.5円だったので配当利率は2.57%となります。

保険としての株主優待券

ANAの株主優待券を飛行機の「保険」として利用している人も多いです。
LCCや各種の格安チケットを使って飛行機に搭乗している方はたくさんいます。
そうしたチケットの場合、天候や機材のトラブルなどで欠航になった時にはリスクがあります。
欠航になった場合、安いチケットは変更が効かないケースが多いです。
料金は払い戻しされると思いますが、同じ安い金額で代替の航空券を見付けるのは困難でしょう。
そうした中で他の飛行機なり移動手段を自分で用意しなければならなくなります。
そんな時、株主優待券を1枚持っていれば、直近の空いているANA便に振り返ると言う対応を取る事ができます。
同じ料金では無いにしても、価格差も非常に少なくて済みます。
株主優待券は半年毎に新しい優待券が届きますが、有効期限は1年あります。
新しい株主優待券が届いたら、前の優待券をそこから半年の間に利用して、その間新しい優待券は保険として持っておくのです。
実際にいざと言う時の保険として株主優待券を保有している方は少なくありません。

マイルが貯まる

株主優待券を使って飛行機に搭乗すると、搭乗マイルも貯める事ができます。
但し割引運賃なので掛率が掛かり、基準マイルの75%、または50%のマイルが加算されます。
株を購入するには
2020年2月28日現在、ANAの株価は2, 907.5円となっています。
100株購入する為には290,750円+手数料が必要になります。

まとめ

ANAの株主優待は以前ほど万能では無く、利用しにくい面も出ていますが、ANAが今も尚魅力的な優待制度を持っている事は確かです。
株主優待券も、利用する人は頻繁に利用しているとても便利な優待券です。
金券ショップでも入手できるので、こういうものが有る事を知っておくだけでも、役に立つ機会があるかも知れません。
魅力的な優待によって株価も支えられやすくなります。
単位株を保有する為には少しまとまった金額が必要になりますが、将来的な獲得の候補に加えておくのも良い銘柄かと思います。
株主として飛行機に乗ると言うのもちょっと気分が良いではないですか。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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