ユーロ/円をスワップポイント投資で最大活用するには!?

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ユーロ/円

●通貨ペア  EUR/JPY
●為替価格  117円
※1
(※1.くりっく365 2019.08.28.為替価格による)

ユーロと日本円の通貨ペアは低金利国同士の通貨ペアであり、スワップ ポイントに関しては余りメリットの無い通貨ペアとされています。

実際ユーロ/円では他の通貨ペアの様にユーロ買いのポジションを持っていてもスワップポイントはマイナス (マイナススワップ)になってしまいます。
それでもユーロ/円は投資戦略上は非常に重要な通貨ペアの1つと言えます。
少なくともその概要を知っておいても損はありません。

スワップポイントとは!?

スワップポイントとは、ある通貨ペアのポジションを翌日まで持ち越した時にペアを組む両通貨の金利の差が日割りで貰える(支払う)仕組みの事です。
通貨ペアの金利が高い方の通貨を買う(低金利の通貨を売る)と金利の差が貰えます。
反対に金利が低い方の通貨を買う(金利の高い通貨を売る)と金利差分を支払わなければいけません。
こちらはマイナススワップと呼ばれています。

ユーロ/円のスワップポイント

ユーロ/円では、ユーロを買ってポジションをキープすると日々マイナススワップが発生します。
日々金利差を支払わなければいけないと言う事です。

反対にユーロを売ってそのポジションをキープすると日々スワップポイントが発生するFX会社が多いです。
ユーロ/円の2019年8月時点の買い、売りそれぞれのスワップポイント金額を見ると

売り 買い
SBI FXトレード -14円 8.71円
DMM FX -10円 10円
ヒロセ通商 -35円 -15円
外為どっとコム -15円 0円
マネパFX -15円 5円
マネパFXnano -15円 5円
みんなのFX -8円 8円
GMOクリク証券 -6.3円 5.29円
GMOクリク証券 くりっく365 -11円 11円

となっています。
金額は2019年8月12日~17日の1万通貨・1日当たりの平均額です。
例えばSBI FXトレードユーロ/円で1万ユーロ(1万通貨)を買うと、1日当たり14円支払わなければいけないと言う事です。
反対にユーロを売る(日本円を買う)ポジションを持っていると、1日当り8.71円貰える事になります。

最大利率は4.1%! ?

では売りポジションをキープするれば大きなメリットがあるでしょうか。
もっともユーザーの多いGMOクリック証券FXを例に計算してみましょう。
時期が少しずれますが、2019年8月28日のユーロ/円の為替レートは
1ユーロ=117円
前後となっています。
GMOクリック証券FXで1万ユーロ(117万円)を売る為には、最低46,800円(4%)の証拠金が必要になります。
もちろん1,000通貨とか100通貨などもっと少ない単位の取引であれば、証拠金はそれに応じて小額になります。
一方でスワップポイント金額の方は、売りポジションを一年間保有し続けると、
1,931円
となります(※5.29円×365日)。
46,800円で1,931円貰えるので
年利4. 1%
と言う金利になります。

リスクを抑えましょう

もちろん現実はそんなに簡単な話では無く、実際には為替の変動があり追証やロスカットのリスクも発生します。
ギリギリの証拠金で取引をする(つまり最大のレバレッジを掛けて取引をする)なんて、さすがに危なっかしくてしょうがありません。
何日も取引を持ち越す事が前提になるスワップポイント投資では、リスクにどう備えるかがとにかく重要です。
最大レバレッジを掛けても年利4. 1%となるとそれはもう他の通貨ペアを捜した方が良いと言う事になるでしょう。
ではユーロ/円はスワップポイントが投資には必要ないのでしょうか。

値動きが近い通貨ペアを組み合せる

実はスワップポイント投資ユーロ/円が威力を発揮するのは、値動きの近い通貨ペアと組み合せて使う時です。
ユーロ/円米ドル円豪ドル/円と値動きが非常に近い通貨ペアと見られています。
2019年8月29日のデータでは相関関数は

・ユーロ/円と米ドル/円が0.93
・ユーロ/円と豪ドル/円が0.96

と非常に近い相関を持っています (セントラル短資データを参照)。
相関関数は1が完全に同じと言う意味です。
例えば米ドル/円メキシコペソ/円などは相関が0.50となっており、値動きが似ていない事が分かります。

金の卵を産み続ける

米ドル/円は今や充分にスワップポイント投資の選択肢に入る通貨ペアの1つです。
仮に米ドル/円を買ってユーロ/円を売れば、相当に高いレベルで価格変動を吸収できるのではないでしょうか。
これが典型的なリスクヘッジの方法です。
更にこれを同じFX会社の口座でペアを組めればメリットがとても大きくなります。

米ドル/円ユーロ/円が共に下落する局面では、米ドル/円で為替損失が出てもユーロ/円は売りなので為替利益が出て損失を吸収できます。
保証金の変動は抑えられ、追証やロスカットのリスクが大幅に減少します。
価格の変動リスクを抑えた上で米ドル/円(買い)でもユーロ/円(売り)でもスワップポイントがでる様にしておけば、リスクを下げながら金の卵を産み続けてくれる素晴らしい仕組みができあがるのです。
しかもこの方法であれば、ある程度高レバレッジの取引をしても吸収できる可能性が高くなります。
同じ程度のレバレッジで買いと売りを仕掛けておけば良いのです。

片方だけが下落するリスク

但しこの方法では、どちらか一方の通貨だけが打撃を受ける局面があると相関が作用しなくなると言うリスクがあります。
簡単に言うと米ドルだけが下落し、ユーロは殆ど影響を受けない様な国際的な事件が発生した場合には相関が崩れます。
通貨ペアは違いますが、英国がEU離脱問題(BRIXIT)の国民投票を行なって離脱派が勝利した時には基軸通貨の中で英ポンドだけが大きく下落しました。
この様なリスクがある事だけは理解しておく必要があります。全くリスクが無いと言う事にはなりません。

レバレッジと利率の関係

ユーロ/円のレバレッジと売り取引での年間利率の関係を見てみましょう。

レバレッジ10倍 16.5%
レバレッジ5倍  8.3%
レバレッジ3倍  5.0%
レバレッジ2倍  0.3%
レバレッジ1倍  0.17%

となります。(あくまで参考値です)
やはり大した利率にはなりませんが、ここはマイナススワップを取られないと言う事が重要な点になるのでスワップポインはおまけ程度に考えておけば良いと思います。

価格ラインを設定する

次にレバレッジ毎に証拠金維持率が100%を切る為替レートの水準を計算してみましょう。
いわゆる「追証」が発生するラインです。
最大レバレッジで取引をするとほんの少しでも価格が円高になると、証拠金維持率が100%を切ってしまいます。
他のレバレッジでどうなるか計算してみると

●レバレッジ10倍  124.3円
●レバレッジ5倍  136.5円
●レバレッジ3倍  152.7円
●レバレッジ2倍  173.0円
●レバレッジ1倍  234円

となります。
レバレッジ10倍の取引であれば、為替レートが117円から124.3円を超えなければ追証は発生しないと言う事になります。
ユーロ/円が今後一年間に124.3円、136.5円、152.7円を上回る可能性を考えて、ここまで余裕を見ておけば大丈夫だろうと言う予測が固まれば、それに沿って自然にレバレッジも決まる事になります。
もちろん取引の判断は御自分の判断、自己責任でお願いします。

価格変動のリスクはあります

ユーロ/円を単独で取引する場合には、買いポジションでも売りポジションでも、価格変動による損失リスクがあります。
1万通貨であれば為替が1円円高になると1万円の損失になります。
逆に1円円安になれば単純計算で1万円の利益です。

毎日リスクが減って行きます。

FX会社では、発生したスワップポイントも保証金の金額に含めて計算する会社が多い ので、日々スワップポイントが入ってくると言う事は、日々少しずつ保証金額が増えると 言う事にもなります。
為替レートが同じならばレバレッジが少しずつ下がって行く事になります。
基本的にスワップポイント投資は途中でロスカットを受けずに持ち堪えられれば勝てるのです。

ユーロ/円スワップにお薦めするFX会社

スワップポイント投資を行なうのであれば、当然貰えるスワップポイント金額の高いFX会社を選ぶかどうかが利益に直結してきます。
但しここで紹介した米ドル/円ユーロ/円を組み合わせて行なうスワップポイント投資であれば、両通貨ペアの合計で考える必要があります。
前述の直近の米ドル/円 (買い)、 ユーロ/円(売り) のスワップポイント実績で見ると

USD/JPY買い EUR/JPY売り
SBI FXトレード 65.9円 8.71円 74.61円
DMM FX 58円 10円 68円
ヒロセ通商 20円 -15円 5円
外為どっとコム 63.6円 0円 63.6円
マネパFX 20円 5円 25円
マネパFXnano 72.5円 5円 77.5円
みんなのFX 70円 8円 78円
GMOクリク証券 63.6円 5.29円 68.89円
GMO くりっく365 74.6円 11円 85.6円

となっています。
マネーパートナーズFXnanoを例に計算すると、 レバレッジ10倍で実に年利26.6%の利率が期待できます。
ただしスワップポイントは日々変動するものなので、時々金額を確認する事が大切です。

税金が掛かります

スワップポイント投資で注意しなければいけない点がもう1つあります。
スワップポイントも利益なので、利益が出れば税金が掛かる点は注意しなければなりません。
利益の20.315%が所得税(復興特別税を含む)として差し引かれます。
ただ利益に税金が掛かるのは他のFX取引や銀行の預金でも一緒です。

まとめ

このようにユーロ/円ではスワップポイントを狙った運用が可能です。
単独ではお薦めできる通貨ペアではありませんが、米ドル/円や豪ドル/円などと組み合せる事によって威力を発揮します。
適切なリスクを取ってリターンを得れば、資金をとても効率良く運用できます
リスクを更に抑えたいのであれば、レバレッジ1倍で取引をすれば外貨預金と殆ど同じ取引になります。
さまざまな選択肢技があるので、資金の一部をこうした形で外貨で運用するのも悪くないと思いますよ。
スワップポイント投資を是非一度考えてみて下さい。

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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